目指すのは業界共通のガイドライン整備
2026年7月28日、XRをはじめとするデジタル技術を活用して空間全体を演出する「LBE(Location-Based Entertainment)」市場の形成と流通促進に向け、「Location-Based Experiences Consortium(ロケーションベースド・エクスペリエンス・コンソーシアム、以下 LBEC)」を発足し、共同運営を開始することが発表された。
このコンソーシアムの目的は、XRを活用したLBE(Location-Based Entertainment)市場の形成と流通基盤の構築を目指す、というもの。わかりやすく言えば、いま全国で増えているVRアトラクションやXR体験施設の市場を、業界全体で育てていこうという試みだ。STYLYとKDDIを中心に、不動産、鉄道、金融、メディアなど25社が参画し、2030年までに150億円規模の市場形成を目標にするという。
勘違いしないでほしいのは、LBECが取り組むのは「コンテンツ制作そのもの」ではない、ということ。挑むのは、施設条件や安全基準、ネットワーク環境などを整理し業界共通のガイドラインを整備することで、LBEコンテンツを全国へ展開しやすくする「流通基盤づくり」なのだ。最初のゴールは150億円規模の市場形成。正直この数字だけを見ると巨大市場とは言い難い。世界のLBE市場は2029年に約2.5兆円規模へ成長するという予測もあるのに対し、150億円はどうしたって寂しいだろう。
しかし繰り返すが、今回のLBECが作ろうとしているのは「コンテンツ」ではないし、「市場そのもの」でもない。まずは、市場をコンテンツが流れるための「川」を作ろうということなのだ。すなわちインフラ。映画産業で言えば配給網。物流で言えばコンテナ規格。インターネットで言えばTCP/IP。そういうこと。STYLYとKDDIは、規格化が先か、市場拡大が先かというジャッジを見据え、前者を取ったということだ。